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tontonのジュビレ日記

星組 「My dear New Orleans」 その1

4月3日昼公演@東京宝塚劇場。

キング牧師の"I have a dream"が、たかだか45年前のことである。黒人が白人と同じ権利を獲得したのは、私が生まれるずっと前のことではなくて、ついこの間であったのだなあ。

海を隔てたこちらの国で、あちらの問題を中心に据えて芝居を演じる。演るほうも観るほうも想像するしかない世界だ(そうでない人が100%いないとはいえないが)。

こりゃ絵空事になりはしないか。そのとおり。日本で外国を演じる時、日本人が白人や黒人を演じる時、しばしばうそっぽい感じに陥り、演じられているドラマが絵空事に見える時がある。タカラヅカに限らず、というより、タカラヅカ以外の舞台でそう感じることは多い。

しかしだ。

星組諸君の演じる「差別される黒人」「1滴でも黒人の血が混じると差別されるクレオール」に共感し、涙が流れた。安蘭けい扮するジョイと、遠野あすか扮するルルの悲恋に泣き、愛する妻を救うために法を犯す夏乃聖夏扮するゲイブに泣いた。
創造の場でのリアリティ。そして、男役としてのリアリティを追求してきた安蘭けいを頂点として、星組が一丸となって創りあげた舞台は、そのまま退団者へのオマージュとなっているのだ。余計に泣ける。


というわけで、最後の舞台を感動させてくれて、(とうこちゃんじゃなくても)ありがとう、なんですが、
植田女史のストーリーに大きな破綻が無かったのがよかったですね。気持ちが乗ってるところで水を差されることがなかった。類型的ではあるけれど、どの人物の行動にも必然の可能性を持たせた。あまり複雑だったり微妙だったりな心理描写も無かったのがよかったかな。みなさん、割とストレートに演じてたと思います。

ルルがサンフランシスコに旅立つところ。ここのあすかちゃんは難しかったと思います。彼女は、弟レニー(柚希礼音)を助けてもらったので、どうしてもムッシュー(立樹遥)と一緒にシスコにいかなくちゃならなかった。ジョイと一緒に行きたいけど行けない。けど、ジョイには「ちょっと出かけてくるわ」と言う。辛い。痛い。泣けました。
で、ここのルルの行動は必然なんですね。これしかない。ドラマにリアリティを持たせるには、この必然が必要なんで。植田女史は、今までこういうところで甘さが出てましたが、今回よくやりました。

強いて難をいうと、ジョイとルルの別れのシーンのあとの、レニーが部屋に来てジョイに告げるシーンはちょっと蛇足だったかな。説明的になってしまった。安蘭と遠野という巧者が演じるのだから、ふたりの気持ちは十分伝わる。二人を信じて端折ったほうがスマートだった。
ルルとレニーの姉弟の場面は別立てにすればよい。

それにしても、安蘭けいと遠野あすか。
泣かされましたよ。なんて素敵な恋人たち。
10年前のある事件が接点というだけの知り合い(実もフタもない言い方)で、その時に互いの心に互いが何かを残した。それが今に継続していて、恋に発展する。いや、10年前にもう恋が芽生えていたのだ。
それが自然に感じられる。
こういうのってね、出てきたふたりがくっつくといいなと思わせなくてはいけないので、そう思わせたら、くっつくまでのエピソードなんかすっ飛ばしたっていいわけで、そういう点で、脚本の不足が演者によって相当助けられた。
だから、それにしても安蘭けいと遠野あすか。と、うならされたわけ。

続く。
# by ichigoshoto | 2009-04-05 00:20 | タカラヅカ

雪組 「カラマーゾフの兄弟」 追補ほか

元のジュビレ日記、いろいろやってみるんですが、管理人として入れてくれない。
入れません。
色が変わってるのは、ファイルを入れ直したりしたので、これがデフォの色です。
しかし、はじかれる。なんでだ。

HP師匠に聞いてみたが、僕もこんなの経験ない。んだそうで、クッキーをいじったりなんだり・・・くらいしかすることないよね。
サーバーはクッキー大丈夫なんですか・・今まで動いてましたよ。
では、これはcgiファイルのどっかに不具合があるんじゃないですか。全部入れ換えてみたらどうですか・・・だから、それはやってるんですわ。

そんなこんなしてるうちに、コメント入っちゃうし。ftpソフトで開いてみると意味不明のものでしたので、こっちで削除しましたが、こんなことにいつまでもかまけてはいられない。本気でジュビレ日記の引越しを考えたほうがよさそうです。


***


で、「カラマーゾフの兄弟」の追補など。
今ごろですか。
今ごろです。ほんのちょっとのことです。


***



フィナーレが楽しかった。
究極の愛の選択を語ったあとで、思い切り弾けちゃう。
下手に弾けられると困っちゃうが、齋藤くんのは思い切りがいいから、楽しい。

ここまでステロタイプでくるか、というのが天然とも取れるし、確信犯的でもある。
あ、そんなしちめんどくさいことより、「トロイカ」とか「カチューシャ」とか、あとなんだっけ・・・り~んご~の花さくと~き~♪というのもあった。ロシア民謡のオンパレード。どれも聴いたことのあるメロディ。これがロックしてるんですね。みんなノリノリですね。

そして、娘役がまた毛皮のお帽子。
で、ミニドレスで、可愛くコケティッシュ。
天勢 いづるが可愛かった。


***



旧ジュビレ日記に、「カラマーゾフの兄弟」の感想その1とその2があります。
こっちでリンクしようと思ったら、 cgiのページはリンクできないんだと、エキサイトさんに言われてしまいました・・・はあ・・・。
読みたいと思われる方はご面倒ですが、本家に戻って、旧ジュビレ日記に行って、カテゴリ「タカラヅカ」又は、2009年の1月の記事を探してください。


なんなんでしょうか、このすっきり感。
# by ichigoshoto | 2009-03-28 21:44 | タカラヅカ

凄いダンスを見ちゃった

BS-hi のウイークエンドシアターの3月は、バレエ特集だったんですね。
意識していなかったので、偶然見つけて最後の2週分を見ることができました。

シルヴィ・ギエムの「ボレロ」。期待が大きすぎたのかな。乗れませんでした。
そそられないんですね。周囲で踊っている男性ダンサーのしょうゆ顔が気になったりして。
バレエを専門にしている友人は「ベジャール大好きなんですけどね。私もあんまり・・」「やっぱり、私にとってはボレロはジョルジュ・ドンです」。
しょうゆ顔とか付随的なことに気を取られるということは、ダンスそのものに集中できていないということなんで、周囲のダンサーはひとりひとりが見えるのでなく、ひとつの大きなうねりのように見えないといけないんだそうです。
・・・ふ~ん、そうなんだ。

先日放送の、モナコのモンテカルロバレエ団とパリ・オペラ座バレエ団のほうは、凄い! 面白い! のひとことでした。ダンサーの美しさと技術の高さと表現の豊かさに大変そそられました(笑)。
モナコのほうは「真夏の夜の夢」を下敷きにしたもので、パリのほうは「椿姫」でした。
こっちの振付は「夢」のほうがジャン・ジャック・マイヨー、「椿姫」がノイマイヤー。クラシックバレエが基本なんだけど、とても面白い動きをします。でも美しい。
管能美を芸術にまで昇華しているのが凄いです。日本人にはできないなあなどと思ってしまったり。

例のバレエの友人は日本人はやっぱりシャイな部分があるのでね、と言っていた。

このモンテカルロとパリオペラ座。このバレエはナマで観たいなと思います。
でも、家族からそれ以上手を広げないほうが・・と言われそうだ。
# by ichigoshoto | 2009-03-23 14:54 | ほどほどジュビレ