tontonのジュビレ日記

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春のおどり/2014 その2

二部について。

吉峯さんのショー作品は、定番のカテゴリをつなげて作り、それぞれのテーマの中にちょっとしたエッセンスを加える手法と見受ける。派手な装飾だったり動きのあるスペクタクルのある舞台装置で新規な効果をねらったりしないで、ちょこっとした背景で雰囲気を伝え、見せるのはダンス。それだけでいい、という潔さと自負があると思うんだが―先立つものの不足によるものだと言う人もいるけど―、いや、そうであったから、内容で見せねばならぬ、魅せねばならぬ、という状況があったかもしれないし、そうでなくても、大劇と言われる大阪劇場でタカラヅカと派を競ったころから、「ダンス」は、OSKのウリであったわけで。

なにが言いたいかというと、今回もそういうオーソドックスかつシンプルな構成で、私は、OSKにおいてはこういう構成が好きだ。オーソドックスかつシンプルな構成であまりある内容を見せようという気概はそこここで感じた。あの、「Black & white」を再演しようというところなどね。団員の全体の技量がそれを演ずるに値するところまで追いついてきたという判断があったからこそなのだと思う。

で、その、Black & white。
太鼓のリズムが始まるところから、ワクワク。
楊林、白藤麗華、麗羅リコの3人。頑張りました、花丸。
という感じかな。
膝を手で押して移動するところは、もっと粘りがほしいし、きっちり見せてほしい。ヤンリンのジャンプももっと耐空時間がほしいところ。

そのあとの、男役3人組がでてきて踊って、娘役が出てきて、掛け合いみたいなことになって、入れ替わりがあって、最後は大勢になって、どんどんテンションあがって、最高潮に達したところで、ストンと終わる。この展開がとても洒落てる。ジャズしてる。途中からはロックかな。
ノリノリでよかったです。
2004年の時のを思い出して、もちょっと、という感じがしたのは、ほんのちょっと、ノリ遅れてる人がいたせいか。舞台で聞こえる音と客席に届く音の時間差のせいかな、とも思ったけど、それだと、舞台上の動きは早くなるはずで。よくわからない。
朝香さんはきっちりノッて踊っている。
彼女のダンスは硬質だ。同じポジションで踊ってた若木さんの軟らかい軽やかな動きを思い出したりした。
このレベルになると、それぞれの特性ということ。

さて、この間言ってた「ブードゥー」。
私の中のブードゥー教のイメージは、カリブ海に浮かぶ島国ハイチの民間信仰で、「呪術を行う」、「踊り狂う」、コワイタイプの宗教。
そんな浅薄な知識でもって見るから、「これはアフリカではないのか」「ブードゥー関係ないんではないか」と思ったわけだが。

改めて調べてみると、「植民地時代の奴隷貿易でカリブ海地域へ強制連行されたダホメ王国(現在のベナン)のフォン人の間における伝承・信仰がキリスト教と習合した事によって成立した」のだ(Wikiの受け売り)。そういう経緯があったのね。ジャズの歴史において、アフリカはその原点であるかもしれないが、奴隷としてアメリカにつれてこられた黒人の祈りがその本質であり、さらに、ブードゥーの音楽はカリブからニューオーリンズに渡り、ジャズへと発展していった。そこに、作者のこだわりがあった、ブードゥーは入れなくてはいけないアイテムなのだ。ブードゥー→ニューオーリンズ→ニューヨーク、というジャズの誕生から現代までの流れがあるのだ。Black & white というタイトルそのものがそこに包含される歴史を示しているではないか。
私はなにも理解していなかった。
そう思って最初の3人のダンスを見ると、また違って見えてくるように思う。



前後するが、「タンゴ」があった。OSKのタンゴ、好きです。
ここのウリは、タカセくんの女装。いや、女役か。
やっぱり、デカイし、肩が角ばってるから、華奢な娘役とは違うのね。
「ニューハーフ」というのはありか、と、友人に言ったら、即座に「ないっ!」と言われた。
桐生さんと桜花ちゃんとのキスなんてのもあるし、ありうるかもねえ。相当に倒錯的幻惑的な世界になりそうだが。


フィナーレのダンス。
名倉加代子の振付。

男役の振りで、
片手を上げてやわらかくちょっと曲げて、片手は腰に当てる振り。(これで回ってたっけ。。もう忘却の彼方)
それから、両手を右側(だったと思う)の腰で揃える振り。こちらも手はちょっと曲げてる。

このポーズが、いつもの「男役、カッコいいだろ」ダンスと、ちと違う感じがして。なんか踊ってる人もいまいちカッコつけられなくて戸惑ってる感じがしたりして。

で、真麻くんを見たら、わかった。
これは、クラシックバレエの男性ダンサーが、パ・ドゥ・ドゥで、よくやる振りではないか。
真麻くんは、理解して踊っているようだった。

名倉さんの意図はどこにあるのか。
今はわからない、わかるときがくるかどうか。わかる必要があるかどうか。


***

昨日で松竹座の「春のおどり」は終了した。
まだ、東京での公演があるけれど、
桜花昇ぼるは、OSKにさよならしたのだ。
寂しさを感じる。




***

タイトルを、「春のおどり/2014」 から 「春のおどり/2014 その2」 に、変更しました。
次の記事を書こうと思って、この記事になにも付いていないことに気づいて、
後で整理してみるときに面倒でしょうと思って変更しました。

あれ、新しい記事? と思われた方は、混乱されますね。
すみません。


















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by ichigoshoto | 2014-05-26 18:20 | OSK

春のおどり/2014 その1

松竹座公演、5月17日昼と夜公演、観てきました。
1幕は日本物で、2幕は洋物、という定番の構成。


1幕、セリを使ってステージ作ったり、盆が回ったり、と、結構スペクタクルしてて、面白かったです。
友人に言ったら、「王道」とのこと。そうなんだ。
今回のはちょっと趣向かわりましたね、と、思ったのだけれど、松竹座で観るのは久しぶりだから、その間に変化があったということなのかもしれない。

桜花ちゃん退団なんだなーと思ったのは、光源氏のところ。
桜花源氏さま、美しい女人方と触れ合うも、みな離れて行く。
そのあと、源氏がさびしそうに見えたのだが、桜花ちゃんの心のうちが表れてるのか、自分の気持ちの投影か。。

頭中将と若い源氏が踊りますね。高世真央と桐生麻耶。
これがいい。凛とした風情がいい。

娘役さんがなんにんも並んで出てきて、それぞれが源氏とゆかりの女人ということなんだろう。
順番に踊るんだけど、ニュアンスを変えているように見える。
プログラムでは、「女」でひとくくりになってるけど、なんとなく
朝香櫻子は藤壺か。牧名ことりは紫の上かな。
白藤麗華は若い感じだから、女三宮か。
折原有佐は葵の上かなあ。恋羽みうは、だれかなあ。


鼠小僧の場面は、転換が早い。
いろんな人が出てきて、面白かったですね。
オチもなかなかなもんで。

鼠の真麻里都が軽快。掛け合いのところのノリもよい。
主人公なんだから、もっとアクが強くてもいいかもと思うけど、さらりとやっちゃうのが真麻くんらしいんだね。

ここは桜花ちゃんは岡っ引きだが、アピールよろしくで、ぜんぜん捕まえるつもりない。
そこが桜花ちゃんらしい。

タカセくんは若旦那ですか。
力はなさそうな色男。


プロローグとフィナーレで歌われる主題歌は、退団仕様の歌詞で、「前見てずっと歩いてきた」とか「いつかまたどこかできっと会えるから」とか「ありがとう」とか、桜花ちゃんの気持ちなんだろうなあと思うと、ウルっときそうだが、曲そのものは、明るくて応援歌のようで、これも桜花ちゃんらしい。




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by ichigoshoto | 2014-05-24 13:08 | OSK

春のおどり/2014 覚書2



今年の春のおどりは桜花ちゃんの退団公演であって、それについて言わなくてはいけないのだけれど。
まだ、覚書です。

フィナーレの名倉加代子の振付。。ちょっと変わってますね。
あれは、クラシックバレエの男性ダンサーの振りではないだろうか。と、思いいたったのだけれど。
あとでちゃんと書きます。







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by ichigoshoto | 2014-05-21 20:12 | OSK

春のおどり/2014 覚書つづき




覚書で「ブラックアンドホワイト」と言ったが、今回の舞台での正式の景のタイトルは、「太陽の鼓動」である。

A アフリカ(ブードゥー)
B ニューオリンズ
C ニューヨーク
D 踊るニューヨーク

という構成。

で、テイクファイブが出てくるのは、Bからであって、私は昨日「ニューヨーク」と言ったけれど、正確には「ニューオリンズ」だった。
私の中では、アフリカの太鼓のリズムから生まれたダンスが、アメリカにわたってジャズになった、という風にとらえているので、ま、アメリカの場面は全部「ニューヨーク」でくくられているのでありますが、そうか・・ニューオリンズのジャズというわけか。逆光の中に浮かび上がるギャングスタイルの男性たちは、ニューオリンズの人ということなのか。それにしては、洗練されててイカシてるので、ここはもうニューヨークと思ってしまったのだよね。

B,C,Dの場面でも音楽はめまぐるしく変化し、リズムも変則的になっていて、これにバッチリの振りをつけた麻咲梨乃の手腕はすごいと、改めて思う。プロだから当たり前、と言えばそうなのかもしれないけど、いや、すごいと思いますよ。

Aの場面、アフリカにカッコつきで「ブードゥー」とあるのは、作者のこだわり、理由があるのであって、初演(2004年)のときは、なんでブードゥー? と思ったけれど、今回、なるほどと思ったことがあった。腑に落ちた、というか。そうすると、私の「アフリカの太鼓のリズムから生まれたダンスが」という認識は、浅はかであって、もっと深い内容を秘めていることになるのだ。
これについては、後述したい。










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by ichigoshoto | 2014-05-19 09:37 | OSK

春のおどり/2014 覚書

帰りの新幹線の中で、「ブラックアンドホワイト」の音楽がぐるぐると回っていた。

あれはね、テイクファイブなんですよ。「ニューヨーク」のところ。
あの名作へのオマージュか。

「名作」というのは、オリジナル曲であるデイブ・ブルーベック・カルテットの"Take five" のことではなくて、かつてOSK日本歌劇団が近鉄傘下にあったころに演じられたダンスのこと。なんでしたっけ、お芝居のフィナーレでやったんだったと思う。もちろん、ナマで見てるわけはなく、映像で見たのだけれど、これがものすごくかっこいい。洋あおいがすごくいい! と思った。はやみ甲の振付だった。
で、「エンドレス・ドリーム」で再演されて(ちょっとアレンジされてたようだが)、これをテレビ放映で見て私はOSKにハマることになった、という記念の曲であります。


で、こっち(「ブラックアンドホワイト」)のテイクファイブだけど、大胆にアレンジされてて、最初のメロディで、あーと思うけど、雰囲気は全然変わっているので、気づかない人はいるかもしれない。
ジャズアレンジで、ノリノリ。
宮原透さん、素敵なアレンジ、ありがとう!
これの初演は、10年前ですよ。2004年の「春のおどり」。あの時のメンバーは、凄かった。まさに、これぞOSK! のダンサーがいた。


***


「春のおどり/2014」に戻りまして、もひとつ、チェリーガールズの出る場面の曲。
かわいいフリフリスカートの衣装でかわいく登場。
有名なピアノ曲です。ベートーベン作曲「エリーゼのために」。

で、そのかわゆいドレスを脱ぎ捨て、まー目にも鮮やかな大胆なパンツスタイルで踊り、歌うのが、

「キッスは目にして」

「エリーゼのために」のリメイク曲で、Wikiによると、ザ・ヴィーナスというグループ(日本人ですよ)が歌って1981年にヒットしたとか。

なかなかしゃれた演出だった。



*注:「春のおどり/2014」という表記は、私が整理の便宜上作ったものであって、公演そのものは、「レビュー 春のおどり」である。
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by ichigoshoto | 2014-05-18 16:21 | OSK