tontonのジュビレ日記

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OSK 「レビューin KYOTO III」 その3

アラビアのシーンで、桜花―櫻子―ことり―桐生の四つ巴の愛の争奪戦と共に見るべきは、緋波と貴城の家来コンビだろう。ふたり、髭をつけてるが、緋波は顔半分は覆っているというぼうぼうのあごひげ、そして貴城は鼻の下のドジョウだかみみずだかのようなチョビ髭。その対称の妙に思わず笑いがこみ上げ、こちらでは真剣そのもののドラマが展開されているのに、そっちを見ると笑ってしまう、ここで笑ってはいけないので見てはいけない、でも目はそちらに行く、笑いをこらえる、という、おかしなことになっていてた。
で、貴城さんは、桜花と桐生が剣を交えている横をちょろちょろと行ったりきたり。この兵士は臆病もののようである。はっきり言って邪魔をしているだけ。緋波さんは終始マジメな表情をくずさないが、彼も役にはたっていない。おふたりは最近コメディエンヌに目覚めたようである。ふふふ・・・。


***


前後するが、オープニングの次に戻ろう。
シーンはジャズ。

①「ピーターガン」:高世ほか男役群団のクールなダンス。セリ上がりを待っている間にワクワク。色違いのスーツにハット。高世くんは「ブルーアンバー」のイメージなのかな(「ブルーアンバー」見てませんが)。彼がボスのようである。すかした子分たちが喧嘩をするんですね。それをボス高世が手を上げる合図で一喝する。
おお、かっこよい。ここのところは、ビシッ、ビシッと、キメキポーズの連続で出来ている。これから始まるジャズシーンのプロローグとして受け止めました。

②「The Lady is a Tramp」:桐生と娘役。桐生がレモンイエローのスーツ。このレモンイエローがとってもいい色でベストの色合いととてもよく融合している。桐生さん、かっこいいー。ここでピンクを主体にしたドレスの朝香櫻子ほかの娘役が出てきて、踊る。楽しそうな雰囲気。娘役のつま先がシャープで爽快。

③「Sing Sing Sing」:階段センターにスタンバイする桜花。なんか始まりそうな予感にまたワクワク。
このシーンは圧巻でした。桜花と娘役、桜花と男役、それから全員出てきて、総踊りになる。白い手袋はめてるのがフォッシー風(白手袋を見るとフォッシーと思う単純回路かパブロフの犬か)。今度のショーで一番好きなシーンかもしれない。最後に向けてどんどん盛り上げて、ババーンと終わる。OSKはこうじゃなくちゃな。
桐生、朝香のダンスに満足。


***


さて、ひさびさにはやみ甲が振付に戻ってきたということは私にとってトピックであって、「エンドレ」の「テイクファイヴ」ではまり、「闇の貴公子」のオープニングのダンスに唸らされた身としては、ぜひ戻ってきて欲しいスタッフの一人だった。


今回は双方とも様子見、という感じがしましたが。
というより、はやみさんは夢組との棲み分けをしようと目論んでいるのか。
ともあれ、今後、互いに手のうちを知りつくしたところで、なにが出てくるか楽しみにしたい。
というか、若手の何人か、頑張れ。



つづく。
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by ichigoshoto | 2009-07-23 14:47 | OSK

OSK 「レビューin KYOTO III」 その2

さくらタイフ~ンで、もうひとつ。

総踊りになるところで、後ろのせりが上がって、3段くらいになってそこに整列して並ぶんだけど、

平土間1列目:センター桜花、その並びは緋波と貴城と路線若手(櫻子とことりがここにいたか、段上だったか)
2列目:若手と中堅
3列目:超若手

段上がり1列目:高世と桐生&others

と言う具合で、

なんで、二番手、三番手をトップと並びにしないの? と思った。
あとで、降りてくるんですけどね。
段上がりは高い位置だが、客席からは遠いので、案外目立たない。
やっぱり、目の前にセンター桜花、その両横に二番手、三番手、とうい並びをババーンと豪華に見せて、変則の並びに移る、というほうが、観てるほうにはインパクトがあると思った。


***


次、いきましょう。

二幕め  『DREAMS COME TRUE!』  吉峯暁子 作・演出

吉峯暁子といえば、旧OSKではずっと座付きの演出家をしてた人ですね。

旧OSKの最後の公演が『ENDLESS DREAM』だった。
これも吉峯暁子。

夢よ、永遠に・・・と存続の祈りをこめて幕を下ろした。
そして今、「夢がかなった」と、その喜びをタイトルにした(まあまだ前途多難のようだが)。

ここまできた劇団員の感慨を、一緒に感じているであろう吉峯が言葉にした。
私も感慨を覚える。


というわけで、歌詞なんかもそういう思いを抱いて聴くとうるうるもんだが、構成・演出はどうであるかと言うと、作者がプログラムで言ってるように、オーソドックスなショーである。
夢をテーマにしたアラベスクである。

ゆめゆめしいプロローグ、クールに決めるジャズ、スパニッシュがあって、スタンダードで総踊りがあって、アラビアがあって、ロケットがある。
楽曲も、聴きなれたスタンダードナンバーが多い。でも、ビギン・ザ・ビギンやブルームーンやABBAメドレーなんかって、我々にはスタンダードでおなじみだが、お若い方には逆に新しいかもしれない。


***


「アラビアン・ナイト」

これはまさに、ひとりの孤独な男の旅の途中で見た夢ということなんだが。

砂漠を旅する男(桜花昇ぼる)。彼は、滅ぼされた王国の王子で、故郷を追われ、ひとりさまよう。
と、目の前に宮殿が。
ひとりの可憐な少女と出会う(朝香櫻子)。少女はこの国の王女。ふたりは恋に落ちる。
と、そこへ、この国の王が登場。桐生さん、貫禄である。櫻子ちゃんのお父さんにしか見えない。
国王に続いて、妖艶にくねくねしてる女が現れる。牧名ことり。桐生さんとやらしくいちゃつく。彼女は王の後妻だ。櫻子ちゃんの母であった王妃は亡くなった。ことりはその美貌で後釜に入ったのだ。
ことりは、ふたりの間を裂く。
「なにやってるのよ!」バッ!!
「あなたは隣国の王子との結婚が決まってるのよ!どこの馬の骨だかわからない男なんかとくっつくのは許しません・・・ていうか・・あなた、素敵ねえ(と、桜花王子に近づく)・・・いいことしましょう・・ねえん・・」
やらしいー。桜花、たじたじ(困ってないではねのけろ)。
「お母様、やめて!私は彼と行くのよ」気の強い櫻子、継母をひっぱたく。
やったー!
今度は王が、「勝手なことは許さん!」と出てくる。
で、桐生王と桜花王子の闘いが始まる。
で、くんづほくれつの激しい戦いの中で、間に入ってきた妻を王は切ってしまう。
衝撃の結末。
暗転。

で、ひとり目覚めて、あれは夢だったか、と去って行く桜花。

ほおお、ことりちゃんが継母かあ、彼女も大人っぽい役が出来るようになったんだーと感心してたら、「その解釈は新しい」と言われた。

えーそーなん。
これしか無いじゃん、と思うんだが。


***


つづく。
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by ichigoshoto | 2009-07-20 23:28 | OSK

OSK 「レビューin KYOTO III」 その1

OSK日本歌劇団の南座公演、7月18日/昼と夜の2回観てきました。

***

久しぶりの京都ですね。
京都駅からの道案内の頼りにしていたCさんが、「用事があるので現地集合っ」と言ってきたので、即行タクシーを使うことに決める。1030円也。
帰り、これまたつれて帰ってもらおうと思ってたCさんが「出待ちの差配をしなくちゃならない」ということで、急遽JRでお帰りになるというKさんにすがる。
で、なんのことはない、ちょっと歩いて地下鉄に乗れば二駅で京都だ。料金210円也。
う~ん・・・不案内ということはこれほどお金がかかるということだ。
次はあの道を通って地下鉄にしよう(たぶん、迷う)。

***

で、公演ですよ。

一幕、二幕、両方ともショーである。
一幕めは日本もので、二幕めが洋物。


この日本もののショーが面白かった。

タイトルが、『さくら颱風(タイフーン)―真夏(なつ)の京(みやこ)も桜満開』
(  )内はふりがな。凝ったタイトルですな。
というか、南座公演あて書きの夏限定のそれでも無理やり桜を咲かせるという(OSKだから)、焦点を絞った公演である。
場所を限定する。これはいいとおもう。松竹座、南座とふたつの劇場で差別化を計る。その土地に密着した興行を行おうという意図がはっきりしていて、その土地の方は喜ぶだろう。

真夏なのに桜をどうするか。作者は考えたんだろうな。
で、「無理でも夏の京都に桜を咲かせよう」と決める。
理由は・・・桜花昇ぼるだから。
そういうことをプログラムに書いてあった。解ってますね。桜花ちゃんは、普通だったら無理なことを無理やりねじ込むことの出来るスターである。
うん、解っている。

で、夏に桜だから、設定がシュール。
ショー全体がシュール。
蝉時雨から始まるのに、桜の花が満開だ。
恋人(珂逢こころ)との逢瀬を楽しんでいた青天のイケメン青年(桜花)がいきなり幽霊に襲われ、自分も幽霊になる。幽霊を退治するゴーストバスターズが現れる。
突然、嵐になって(桜吹雪じゃなくて桜の嵐)シルバーのお着物にブーツの5人組が現れて、キャピキャピに歌い踊る。彼女たちはチェリーガールズ。
「桜の嵐が起こると時代が変わる」てなことを言って、場面転換。
大正デモクラシーの時代になって、縞々水着のお嬢さんたちが出てきちゃったり、はたまた水玉模様の「いい男」と「いい女」が歌い踊ったり。

もうね、なんでもありよ、文句言わないのよ、そもそもシュールなショーなんだから。
そういうことなのだ。
そういう確信犯的な作り方が心地よい。

で、場面転換が滑らか。暗転を殆ど使わず、一場面が終わったところで一人残り、誰かが出てきて絡んで別のシーンに移行するなんてことになってたりする。荻田くんがタカラヅカで多用してました。

時代が変わるときにそれに関わっているのが可愛い女の子たちで、水着の女性たちが新しい時代を謳歌し、カンカン帽のいい男たちに言わせっぱなしではなくて、私たちはいい女、と対等に主張する女性たち。
なんというかな、女性が男性と対等という世界感が見え隠れする。これが新しい感覚でいいなと思った。
作者は桃井文という人だ。きっと女性でしょうね。男性の作家はよほどのフェミニストでない限り、こういう書き方はしない。

***

以下に受けたところを列挙する。

*青天の桜花昇ぼる。いつ見ても素敵。

*その桜花昇ぼると高世麻央の色気。高世くんと朝香櫻子がしっとりとセリ下がるところなんか、これからいいことするんだーと思ってしまったし。桜花ちゃんがこころちゃんの着物の懐に手を入れようとするところなんか、不必要にあせってしまったし。

*幽霊の幽霊振りに受けた。特に、貴城優希。タカシロワールドに入っちゃってる。

*その幽霊を退治するゴーストバスターズの少年剣士。少年でいいんだろうな。朝香、牧名ことり、折原有佐。剣さばき、腰の入り方がいい。

*阿波踊りは桐生麻耶が一番決まっている。あれはやたらに動けばいいというもんじゃないと思う。

*子どもが遊ぶシーンの文月彩可がとっても美少女。だから、前から美少女だと思ってたのよ。適材適所。

*水玉着物の「いい男」「いい女」のところ。桐生だけが、さらしを巻いているのがはだけた衿の間から見えて、遊び人風。あとの二人(桜花と高世)は、文化人か金持ちのボンボン風。
それにしても、さらしを見せて胸はだけてるのがこれほど堂に入ってて違和感ない男役は桐生麻耶をおいて他にはいないだろう。

*最後にひとつ注文を。
若手男役、楊林とか悠浦あやととか、メークをも少し工夫したらと思った。ちょい、くどい。

こんなところかな。


洋物ショーについては、次回に。
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by ichigoshoto | 2009-07-18 23:59 | OSK

COCO

7月8日 ル・テアトル銀座。

ココ・シャネルの晩年を描く。引退して15年も経って再度モードの世界に戻ろうとしたシャネル。
あなたの出番はないと言われながら、頑張っちゃうシャネル。
ショーは成功するんだろうかどうなんだろうか、なんていうところにも興味を持たせてひっぱって面白い。
「自立」している強いココも実は愛されたかった、というところがちょっとウエットになりすぎな感がありましたが。
最後、愛を選んだノエル(湖月わたる)にウエディングドレスの仮縫いにきなさいと伝言するところは、ココの孤高なる精神の強さ、潔さが出ていて、爽やかにして秀逸。

シャネルをやった鳳蘭が凄い。ツレちゃん、凄い!
強くて危うくて、そして愛すべき人物になっていた。
スーツ、ドレスがどれも体にぴったりで、動いても美しく、よい生地でよい仕立てなのが良かった。まさか、ツレちゃん、本店で作った自前・・・? ということはないでしょうが。

湖月わたるは、冒頭のところが良い。
垢抜けない田舎娘がモードの世界に跳び込み、ココに鍛えられて、洗練されたモデルに成長していくのだが、わたさん、あんまり変わらないんだ。難しいかもね。
ほっそりとして、でもちゃんと筋肉がついてるふくらはぎがきれいだった。

セバスチャン・ベアールの岡幸二郎がインパクト大だった。
長身でかっこよくてバタくさい顔がのっかってて、大げさに出てくるから空気が変わる。
声がいいですね。この人、誰? と思ったら、岡幸二郎だった。
あ~この人が・・でした。

大澄賢也は踊らないとなあ・・。

今陽子、鈴木綜馬がココの周囲で温かく鷹揚なスタッフを演じてました。

 
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by ichigoshoto | 2009-07-08 23:59 | その他の舞台

夢組 「鬼の末裔」/「ROSE DROP」 その2

HKDC、すなわち 「はやみ甲ダンスカンパニー」の、夢組公演であるが、今回で5回め。
毎年バージョンアップしてますなあ。

まず、プログラムを買ってびっくり。オールカラー。でもって、紙質もアップしてる。
それから、舞台装置。作り付けだけど葉の茂る大木が立っているし、それに、あの岩。真ん中で割れるようになっていて、(これに鬼と化した初瀬さん(違)が閉じ込められるのだ)なかなか凝ったつくりだ。
バウホールレベルはあるんじゃないかと感動していたら、友人にいやいや。まだまだと言われたが。

あの岩は好きです。あーいうの好きだわ。離れていた岩がどんどん近づいていって、初瀬さん(だから役名を記せ)がスキ間から手を伸ばして叫んでる姿なんか、結構ツボでした。

あの岩は星組全ツのお墓を思い出しました。わたさんお披露目の公演だった(遠い目)。
お墓がパカっと割れてわたさんと死に別れた檀ちゃんが煙の中から出てくる、て趣向だった。私が観たときは、わたさんが嘆き悲しんでる最中に、いきなりパカっとなって、目が点でした。趣もなにもあったもんじゃなかったが、わたさんはそんな裏方さんのミスなど吹き飛ばすがごとくに力ずくの熱演で、感動したのだった。
あのパカッに比べたら数段よく出来てると思います。ハイ。



***


さあそんなことは置いといて、内容について感想述べましょう。

お芝居「鬼の末裔」のストーリーは、ちどりさんが結構詳しく解説してくださってるので、こちらを参照してもらうとして(ちどりさん、ありがとう)(事後承諾)。

あて書き、いつものことながら、いつも見ているから当たり前とは言え、さすがと思いました。

初瀬みきが金髪碧眼の外人さん(これが好青年)。で、後半は凄い形相の全身恨みに染まった鬼になる。
どちらもハマッている。


で、私がなぜHKDCを観にいくかというと、その原点は、「初瀬みきが踊っている」からなんだが、最初に観たときに「ダンスを観にいった」私は、たくさんのおまけをもらって、ずいぶん得をした気分になったのだった。
初瀬みきはダンスだけじゃなくて、もっと大きなものを持っている。お芝居をした時にかもし出されてくるこの安定した人物像。なまはんかなことではぶれず、崩れない確かさ。いつも裏切らないおおらかさと温かさ。そこにちょっとした時に顔をだす茶目っ気と、相反するようできちんと同居している真剣さ。
これはもう、初瀬みきその人の人生観が舞台に表れているのではないかと錯覚するような、直球勝負でくる舞台姿。いや、錯覚ではないんだろうと思う。表現者は人生そのものを表現しているのである。

この人の魅力はこの人自身である。

そこに惚れるのである。

で、その初瀬みきの人間がもっともよく表現されるように、はやみ甲は登場人物の人間設定をする。
これが、直球勝負でいつもドンッとストライクを受け取り、心はカタルシスから癒しへと移行し、満足のうちに帰途につく、ということになるのだ。


***


この項、続く。
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by ichigoshoto | 2009-07-03 14:54 | HKDC

夢組 「鬼の末裔」/「ROSE DROP」 その1

6月28日大阪よみうり文化ホール公演を観てきました。


「鬼の末裔」は、「闇の貴公子」シリーズの流れを汲む。かな。

初瀬みき、またしても非人間になる。
鬼になる。
非人間、素敵。ど迫力で素敵。

闇ダンサーズ、呪ダンサーズの胸のすくようなキレのよさ。かっこよさ。



「ROSE DROP」、即ち「薔薇の雫」ということで、しっとり路線でくると思いきや、いつものバリバリ、ビンビンのダンスである。

いや大満足です。
HKDCのショーはこれが見られればタイトルなんかどうでもいい、てか(笑)。

とりあえず、こんなところで。
詳しくはのちほど。
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by ichigoshoto | 2009-07-01 13:48 | HKDC