tontonのジュビレ日記

月組 「HAMLET!!」 屁理屈な補足

"ロック・オペラ" なんですね。

最初に観た時に、ちょっと物足りない感がありました。
ロックではあるけれど、ひと昔前のロックミュージカルつう感じで、内容はまるで原作を踏襲していて、斬新なところがなかったので。

なにを期待してたんですかなんだけど、「ロック」とわざわざいうからには、もっとウワッこうくるか、みたいなことになってたら面白いなあ・・みたいな、ね。
苦悩しないで行動あるのみのロッカーハムレットとか、シンディ・ローパーみたいにガンガン歌っちゃっうオフィーリアとか・・・あ、多くのかたには却下でしょうね。それは「ハムレット」ではないと思うでしょう。

しかし、ロックは規制の価値観を超えて進むという性格を持つ音楽ジャンルであり、文化なのです。
ロックは反体制音楽である、体制側に呑み込まれた(商業ベースに載った)ロッカーはロッカーではない、と豪語したロッカーがいましたっけ。そこまで極端に言わないでも、古い価値観にはとらわれずに独自の価値観を希求する精神を見いだすところに「ロック」はひとつの存在意義をもっているんじゃないかと思う。しかし、新しい価値観を提示し、それが大衆に認められる、即ち、売れるようになると、当然コマーシャリズムに取り込まれることになる。反体制を貫くには売れないことを覚悟しなくてはならないが、メッセージを世界に発信するには売れなくてはならない・・このジレンマは、ロックの宿命でしょうと思います。

ちょっと横道にそれました。

でこの、ロック・オペラ「HAMLET!!」について、私はそういう要素を幾分か期待していたところがあったので、最初は物足りないと思ったのだったが、こういうもんか、と思って観れば、「まあこんなもんか」。
出演者の情熱によって多分に補完され、感動を呼んだ、ということになる。

「こんなもんか」というのは、一昔前のいわゆるロック風の楽曲を使ったミュージカルみたい、ということで。


舞台の作りは既成のものを踏襲しているようで、どっか「エリザベート」を思い出すようなところもあったりして、目新しい感じはなかったですね。
「ジーザスクライストスーパースター」も、登場した時は、斬新な舞台が衝撃的だったわけだけど、今では古典ですね。
そういう空気を感じるのだ。だから、その路線をよしとすれば、「こんなもんか」。

藤井くんがショーを作るときの独自性、独創性をもっと使ってほしかったと思う。
偉大なるシェイクスピア作の超古典を材料にするということで、構えてしまったか、自己規制をしたのか、と思う。
台詞だって原作にとらわれる必要はなかっただろうと思うし、"to be, or not to be" なんかの定番の台詞にしたって自由な解釈で作ってもよかっただろうと思う。
そうすることで、「これはハムレットではない」「シェイクスピアの冒涜」などといった感想は出るかもしれないが、それでもあえて新機軸をだしていくのが、ほんとのロックじゃないか、と思うけど。
期待をする場所が違うのか。
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by ichigoshoto | 2010-03-03 12:45 | タカラヅカ